ある生物学者の不可思議な心臓

ある生物学者の不可思議な心臓

先天性心疾患をもつ生物学者が命について考える。

怪しい雲行き

やはりデスゾーンの攻略は難しいのだろうか。二ヶ月前にプレドニンを8mg/日に減量してから、タンパクの値が下がり続けている。2月の検診の時も、そして先日の3月の検診の時も下がっていた。TP6.1、アルブミン3.7、IgG709になった。アルブミンは昨年の7月以来4以上を維持できていたが、ついに3台に落ち込んだ。さらに気がかりなのは、ヘモグロビンが11.9とかなり下がってしまったことだ。血清鉄も27となり(正常は44以上)、完全に鉄欠乏性の貧血状態だった。そして、この数日胃のあたりがもたれ、不快感がある。胃腸が再び炎症を起こし、タンパク漏れや出血を起こしている可能性がある。

 昨年の地獄入院の時と比べれば、まだはるかに良いので回復する見込みは十分あると思う。腎臓や肝臓の値は非常に良い。むくみもまだ出ていない。甘酒を飲み、胃腸に良い食べ物を食べて、体をいたわればなんとか持ちこたえられるかもしれない。ただ、これから南の島に向けた引越しのため、外食が多くなる。荷物を送ってから南の島に到着するまで10日ほどかかるため、その間親戚や知り合いの家を渡り歩いて、主に外食で過ごすことになるからだ。

 引っ越して早々入院だけは何としても避けたい。やっと手にした職なので、初っ端からつまづきたくない。引っ越しも遠いので、楽ではない。引っ越してすぐ、落ち着く暇もなく、おいらが入院してしまっては家族も共倒れになってしまうだろう。これが厄年の恐ろしさなのだろうか。昨年の前厄でもう十分苦しんだのだから、どうか今年は平穏に過ごさせてほしい。神様お願い。おいら、頑張って仕事するよ。贅沢は言わないよ。多少しんどいことがあってもいいから、せめて入院だけはせずにいさせてほしいよ。