ある生物学者の不可思議な心臓

ある生物学者の不可思議な心臓

先天性心疾患をもつ生物学者が命について考える。

消化管出血

バナナ以上に素直な生き方

『こんな夜更けにバナナかよ』は、筋ジストロフィーを抱える鹿野靖明氏の生活を取材したノンフィクション作品の本である。ボランティアとの交流や自立生活の実態が詳細に描かれた作品として評価され、映画化もされたのでご存知の方も多いだろう。おいらも何…

フォンタンマスターへの道:筋肉編

フォンタンマスターは筋肉という最強の右腕を従えている。それは決してスポーツ選手のように力強い筋肉ではないが、心臓を強力にサポートし、弱い心臓を健常者並みの働きに高めてくれる頼もしい存在である。 筋肉なきところ、水溜まるなり。大昔の思想家の言…

ムーベンで無理便

今日は汚いシモの話をしよう。お嫌いな方は読まないことをお勧めする。 昨年の地獄入院から15ヶ月。ついに再び入院することになってしまった。そのためしばらく記事を更新できなかったが、入院中に書きためたので、この後もあまり日を置かず続けて載せていき…

怪しい雲行き

やはりデスゾーンの攻略は難しいのだろうか。二ヶ月前にプレドニンを8mg/日に減量してから、タンパクの値が下がり続けている。2月の検診の時も、そして先日の3月の検診の時も下がっていた。TP6.1、アルブミン3.7、IgG709になった。アルブミンは昨年の7月…

奇跡を起こした飲む点滴

地獄入院が始まってから一ヶ月半が経過した。おいらは、SD病院からなかば逃亡するようにNC病院に戻ることができた。NC病院に移ると入院生活は劇的に快適になった。まず、決定的に変わったのが食事である。SD病院での激マズ栄養ドリンクがなくなり、汁のみメ…

フォンタン術後の消化管出血と蛋白漏出性胃腸症

地獄入院の話を再開しよう。 地獄入院は、貧血がきっかけで始まった。後々わかってきたことは、消化管内からの出血で貧血が起こり、出血は蛋白漏出性胃腸症の延長線上に生じたものだった。以前にも書いたようにそのような症例は極めて少ないが、ほぼ唯一では…

我慢し続けると人生が終わる

地獄旅行を再開しよう。 おいらには、自分のこれまでの経験に基づいた教訓がいくつかあり、それらの教訓はとても信頼している。そんな教訓の一つに、「どんなつらいこと痛いことも、我慢し続ければ終わる」というものがある。 例えば、心臓病患者が受けるカ…

底なし地獄

NC病院からSD病院へ二度目の転院をした。年初めにNC病院に入院してから4週間が経とうとしていた。病状はますます悪くなり、便の色は真っ黒のまま、さらには赤く血の色に変わってきた。相当量の出血が起きているようである。転院してまもなく、3度目の内視鏡…

人生最悪の地獄入院

今年は新年早々から入院した。その入院は過去最悪の地獄のような入院だった。三途の川やえんま大王をみたりはしなかったものの、いっときはこのまま病院で死ぬんだろうと思った。また、苦しさのあまり死んで楽になりたいとも思った。かなり大げさかもしれな…