ある生物学者の不可思議な心臓

ある生物学者の不可思議な心臓

先天性心疾患をもつ生物学者が命について考える。

一つの物語が終わり、一つの物語を書く

前回の記事から、3ヶ月が過ぎた。その間何をしていたかと言うと、前回の記事の最後に書いたように縦隔炎が再燃したため、5月下旬から7月中まで2ヶ月弱入院していた。入院中や退院後は、記事を書く時間はたくさんあったが、精神的・肉体的ゆとりがなく書けずにいた。

 次に書く記事は、当然ながらその2ヶ月弱の入院の記録である。しかしそれは気楽に書けるような内容ではなく、それゆえにますます書くことが気が重かった。そして、もう一つ書けない理由があった。それは、8月末締め切りの本の原稿を仕上げなければならないことだった。

 入院中に書ければよかったのだが、今回の入院はあまりに過酷で正直とても余裕がなかった。だから入院中何度も原稿の執筆を断念して、断ろうかと思いもした。しかし一方で、それを断ってしまったら、自分の中の研究者としての希望を失ってしまいそうな気がした。そしてその希望を失ったら、病気を乗り越える気力や忍耐力も無くなってしまうかもしれない。だから、なんとしてもこの入院から生きて戻ってくるためにも、本の執筆は最後まで諦めないことにした。

 退院してしばらくは体力的に厳しくて原稿を書けなかったが、8月に入り少しずつ書き進めることができるようになった。そして、ついに昨日、一通りの原稿が完成した。しかし、まだ見直しや引用文献のチェックなどの修正が全くできていない。読み返したらもう一度書き直さないといけない箇所はたくさんあるだろう。

 というわけで、もうしばらくこのブログの記事を書くゆとりがないのが現状である。2ヶ月弱の入院は、おいらの過去の入院経験の中でもかなり苦しいものであった。だから、次その記事が公開されたら覚悟して読んでほしい。痛みや苦しさが苦手な人には危険である。

一応次回の予告を兼ねて、Twitterに以前投稿した入院の記録をここにも貼り付けておく。乞うご期待。