ある生物学者の不可思議な心臓

ある生物学者の不可思議な心臓

先天性心疾患をもつ生物学者が命について考える。

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

フォンタン術後のタンパク漏出性胃腸症患者における臨床成果と生存率の改善

今年最後の記事は、少し明るい報告の論文を紹介して終わりたい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー John, AS. et al. (2014). Clinical outcomes and improved survival in patients with protein-losing enteropathy after the Font…

May the Fontan be with you

クリスマスも終わり、今年もあとわずかとなった。今年は正直暗い年だった。おいら個人的な面では、不整脈がたびたび発生し体調が安定せず、研究職の夢を諦めかけ、科学雑誌に投稿した論文は雑誌編集者から聞いたことがない理不尽な扱いを受け、職場はブラッ…

今後のラインナップ その後

年末になるとその一年を振り返りたくなる。以前、「今後のラインナップ」というタイトルの記事で、今後書きたいテーマやリクエストをいただいたテーマについてまとめた。「今後のラインナップ」は、予想外に反響がありたくさんのコメントをいただくことがで…

ハイゼントラ vs サムスカ

今日は2週に一度のハイゼントラの日。今回もハイゼントラを点滴している1時間の間に、記事を書いてみよう。テーマは、以前書こうとしてやめたハイゼントラとサムスカの対決の話である。まずその二つの薬の特徴を紹介しよう。 ハイゼントラは、患者自身が在宅…

血の証明

最近、暗いネガティブ思考の話が続いてしまっている。そんな話は誰も聞きたくないし、おいら自身ますます気が滅入るばかりだ。それにこのブログの本来の目的は、闘病体験を面白おかしく書くことでもあった。そして病気を持つ生き方も捨てたもんじゃないぜと…

疲れない生き方は、むしろ疲れる。

先天性心疾患の性質上、おいらは物心つく前から無意識のうちに、なるべく疲れないように人付き合いを避けて生きてきたようなところがある。幼い頃は、大勢の友達とわあわあ騒いで遊ぶより、一人か二人の友達とひっそりと遊ぶ方が好きだった。たまに加減を忘…