ある生物学者の不可思議な心臓

ある生物学者の不可思議な心臓

先天性心疾患をもつ生物学者が命について考える。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

中性存在

今回は、成人男性患者の恥ずかしい悩みについて少し赤裸々にお話ししたい。 入院すると、身の周りの世話を看護師さんにしてもらう機会が多くなる。特に、手術後など寝たきりの状態になっているときは、衣服や下着の着替え、トイレ介助、体拭き、など全てをさ…

Perfume体操

少し時間を遡って、3年前の地獄入院の時の小話をしよう。地獄入院の時のおいらは、腰痛と腰椎圧迫骨折のダブルパンチによって、一時期寝たきりになってしまっていた。日に日に筋力を失い、痩せ細っていく体。当時おいらのリハビリを世話してくれたスパルタの…

ハイゼントラの休日

今日は、2週に一度のハイゼントラ点滴の日。今まさに、お腹に針を刺して始めたところだ。点滴は一回一時間ほどかかる。今回は、その間に一つの記事を書き終えられるか挑戦してみよう。 現在の時刻は3時半。日曜の昼間に点滴だなんて、時間がもったいなく思…

生物にはなぜ病気があるのか

「難病カルテー患者たちのいま」という本を読む。多くの難病患者が紹介されていたが、生まれつき症状が発症している先天性疾患の例は少なく、ある程度成長してから発症する神経・筋肉・骨・消化管・免疫系の難病が大半だった。そうした難病では、早い人なら1…

青い夢

二ヶ月前、地獄を味わった穴場ビーチに再び赴いた。一年中暖かい南の島とはいえ、9月に入ると秋の気配が少しずつ増していっていた。空の色は、まばゆい白から澄んだ青に変わり、雲は高く分厚くそびえ立つ入道雲から薄く柔らかい形に変わっていた。日差しは強…