ある生物学者の不可思議な心臓

ある生物学者の不可思議な心臓

先天性心疾患をもつ生物学者が命について考える。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

インクレディブル・ファミリー

今から約30年前の12歳の時、おいらはAPCフォンタン手術を受けた。その時の入院の状況を両親が記録して1冊のファイルにまとめて残していた。ファイルには記録だけでなく、当時のクラスの同級生からいただいた手紙も保存されていた。どの手紙にも、おいらが手…

まめに生きる

この冬もまた、年末から妻と息子が南の島を離れ、遠く離れた山国へスキーの留学に旅立った。おいらは3ヶ月間一人お留守番である。正直、爆発的に寂しい。年々一人でいることが寂しくなっている。入院をした時には、退屈さとあいまって昼夜を問わず寂しくてた…

命の品定め

最近、おいらの住む南の島のサンゴ礁を巡って、世界中を巻き込んだ論争が起きている。軍事利用のためにサンゴ礁が埋められる事態が迫っており、その保全が争点の一つになっているのだ。おいら自身は、生物学者の端くれとして保全を願っているが、生物保全の…